【2025年版】アプリアップデートKPIの設定ガイド──MAU・開封率を業種別に最適化

DXiSIN(イシン)アプリ開発地域

アプリを更新しても KPI が伸びない――その原因は “追うべき指標” と “要件定義” が噛み合っていないことが大半です。本記事では MAU/開封率 を中心に、業種別・アプリ系統別の KPI 設計例とアップデートプロセスを 6 章で解説します。

1. 課題 — アップデート後に KPI が伸び悩む理由

アップデートは「機能追加=数値改善」とは限りません。MAU が横ばい/開封率が下落している多くの案件で、以下 3 つのギャップが見られます。

ギャップ

症状

典型例

目標⇆機能

KPI が曖昧で“作り切り”

プッシュ改善なのに通知設定 UI を触らない

業種⇆指標

汎用 KPI を流用

リテールなのに DAU だけを見る

開発⇆運用

要件定義に KPI が無い

リリース後に GA4 設定を追加依頼


2. 解決策 — ウォッチすべき 5 指標とその用途

指標

役割

主要ツール

業種との相性

MAU / DAU

アクティブ規模

GA4, Firebase

全業種

開封率 (Push OR)

エンゲージメント

FCM レポート

小売 / EC

機能別 Conversion

収益・CV

BigQuery / AppsFlyer

サブスク / ゲーム

セッション継続時間

UX 健康度

GA4, UXCam

メディア

クラッシュ率

品質

Crashlytics

全業種

ポイント: 指標は “1 機能=1 主目的” で紐づけ、要件定義書に KPI オーナー を明記すること。


3. 費用/KPI — 業種・アプリ系統別ベンチマーク

3‑1. 小売(店舗送客系)

KPI

目標値

参考値*

改善施策

MAU/月

来店顧客×35 %

28–40 %

Loyalty 施策 (+スタンプ)

Push 開封率

8 % 以上

6–9 %

パーソナライズ通知

来店クーポン利用率

4 % 以上

3–5 %

カウントダウン表示

3‑2. サブスク(SaaS / B2B)

KPI

目標値

参考値*

改善施策

WAU / MAU

55 % 以上

50–60 %

Onboarding 改善

機能別 CV

20 % 以上

15–22 %

チュートリアル AB テスト

Churn (月)

3 % 未満

2–4 %

早期離脱アラート

3‑3. ゲーム(F2P)

KPI

目標値

参考値*

改善施策

D1 Retention

40 % 以上

35–45 %

初回報酬調整

ARPDAU

¥45 以上

¥30–50

限定ガチャ設計

クラッシュ率

0.2 % 未満

0.1–0.5 %

Crashlytics モニタ

*参考値は 業種別開封率ベンチマーク2025 を基に算出


4. 導入ステップ — KPI ドリブン要件定義 7 ステップ

  1. 目標設定:売上+◯%、Churn ▲◯% など OKR に紐づける

  2. データ設計:GA4 / BigQuery スキーマを定義

  3. 機能優先度付け:KPI 改善寄与度×工数でスコアリング

  4. プロトタイピング:Figma+ユーザーテストで UX 確認

  5. 開発 & QA:Crashlytics / TestFlight 自動配信

  6. 計測タグ実装gtm_idfa_enabled など埋め込み

  7. 改善ループ:Looker Studio 週次レビュー → Backlog へタスク登録


5. FAQ(よくある質問)

質問

回答

MAU だけではダメ?

エンゲージメント低下を検知できないため Push 開封率や Session Length と併用を推奨。

開封率の業種平均は?

小売 6–9 %、サブスク 10–14 %、ゲーム 5–8 %。詳細は こちら。

更新で KPI が下がったら?

リバートの判断基準を KPI で数値化し、Crashlytics 警報と併用するとロールバックが早まります。

広告付きアプリの KPI は?

ARPDAU と FillRate を追加し、広告 SDK 更新時に別ビューでモニタリング。

iSIN でできること?

差分検知→計測タグ自動生成→Looker Studio テンプレがワンクリックで展開可能。


6. まとめ

  • MAU/開封率+業種特化 KPI を組み合わせて“目的と機能”を直結させる

  • KPI は OKR と紐づけて要件定義書へ落とし込む

  • iSIN のデータセグメント機能で ダッシュボード作成を 70 % 工数削減

7. 内部リンク